自作オーディオは、どんな音がするのだろうかとニヤニヤしながらパーツを集めるときが一番楽しいです。
アンプの回路図とパーツリストを眺めながら購入するパーツを考えてみました。素人なので詳しいことはわからないのでかなりいい加減ですw

・パワーIC 「E-TDA7396/TDA7396」
アンプの心臓であるパワーICです。ググっても作例があまり見つからずどんな音がするのかわかりません。データシートをDLしてみると「especially intended for car radio HighPower applications」とあるので車載用のアンプのようです。
パワーICにはCD-DIAという謎端子があります。データシートによるとクリッピングや異常な温度上昇が起きたときのための診断回路の出力ピンだと書いてあります。車載らしくエラーには気を配った設計になっているようです。
付録基板の回路図とデータシートの回路図はだいたい同じで、特殊な使い方はしていないようです。A-10 SGはNECの名アンプA-10のDNAを受け継ぐアナログアンプ基板だそうです。A-10はディスクリート構成のDCアンプですが、このアンプはパワーICを使ったACアンプです。どの辺りがDNAなんでしょうか?
電源は8V~18VまでOKです。
E-TDA7396とTDA7396の違いはRoHS対応か否かのようです。digi-keyで1個590円。

・オペアンプ「OPA2134PA」
初段に片チャンネルあたり2個(つまり4回路)使っています。ブリッジ出力のパワーICの入力に2回路、位相反転?に1回路使っているようです。
OPA2134は正負電源を使うオペアンプですが、このアンプの電源はプラス12Vだけの単電源です。グーグル先生にお聞きしたら、バイアス電圧を加えて正負電源のオペアンプを単電源で使うオフセット付き反転増幅という方法があるそうです。回路図下部のR109とR110で電源を半分にしバイアスをかけているようです。
回路図上部の2回路は差動増幅器のようです。単電源でバイアスが加えてあるせいか、R105とR106の抵抗値が違っています。う~む、さっぱりわからん。
オペアンプにはいろいろな種類があるのですが、単電源という変則的な使い方だし勝手に変更すると発信したりするので回路図どおりOPA2134PAを使おうと思います。
秋月電子通商で1個300円です。

・コンデンサ
入力カップリング(C101、201)にニチコンのMUZU ESという無極性電解コンデンサを使っています。ここは音質に影響するのでフィルムコンデンサを使いたいところです。4.7μFとフィルムコンデンサとしては容量が大きいのと基板のスペースの関係で選択の余地があまりありません。ルビコンのPMLCAPという薄膜高分子積層コンデンサが面白そうです。秋月で1個150円。
パワーICの入力部分のコンデンサ(C102、202、103、203)も良いコンデンサを使いたいです。部品表ではWIMAのMKS4というポリエステルコンデンサを使っています。フィルムコンデンサの音質は ポリカーボネイト > ポリプロピレン > ポリエステル と言われています(本当か?) 同じメーカーWIMAのMKP2(ポリプロピレンコンデンサ)のほうが良いかもしれません。MKP2 100V 0.22uFは共立電子で1個200円。
C104とR109は電源からのノイズを混入を防ぐローパスフィルターのようです。部品表ではC104、C204はニチコンFGを使っています。
C105、C205はオペアンプ電源用、C109、C209はパワーIC電源用の電解コンデンサで部品表ではニチコンMUZU KZというオーディオ用の良いものを使っています。
C106、C206はデータシートによるとMUTE/STANDBYの時間設定用の電解コンデンサです。
C107、C207は0.1μFのフィルムコンデンサ(ニッセイMMT)でアースに落ちています(CD-DIAのノイズ対策?)。共立電子のパーツセットではセラミックコンデンサになっています。
C108、C208は10μFの電解コンデンサ(ニチコンFG)でCD-DIA用?
C110、C210は電源用の電解コンデンサ(C109、C209)と並列に入っているので高音改善用またはインピーダンスを下げるため(容量が少ない?)のフィルムコンデンサでしょうか? 回路図では104(0.1μF)、部品表では224(0.22μF)になっていますが0.22μFが正しいと思います。部品表はニッセイのAPS(ポリプロピレン)で千石電商で1個147円。共立電子のパーツセットでは東信工業のUPZ(ポリプロピレン)になっています。千石電商で1個42円。

・ダイオード
ダイオードは部品表どおりに。

・抵抗
部品表ではLinkmanとkoaになっていますが、ここはオーディオ用金属皮膜TAKUMAN REY25を使いたいです。海神無線で1本31円です。(追記:共立電子で1本30円)
ボリューム用の可変抵抗はアルプス電気の2連Aカーブです。秋月電子通商で1個180円。安物ですが、A-10 SGのボリュームは音質とあまり関係がないそうなのでこれでいいでしょう。

・その他
電源スイッチはアルプス電気のSPUN192600です。RSで5個1,214円だって(1個でいいのに)。適当なトグルスイッチで代用しましょう。
ヒートシンクはFischer Elektronik SK85-50-SAです。厚みが10ミリもあって良さげなヒートシンクだけど加工が大変そうです。RSで1個998円。パワーICが基板から少し引っ込んだところにあるから、ヒートシンクとパワーICの間にアルミ板を挟まないといけない。なんでこんな作りにくい設計にしたんだろ。
あとICソケットやジャンパ線は手持ちのものを適当に使う予定です。

・電源
NEC A-10の一番の特徴は電源です。リザーブ電源という強力な電源を搭載していました。
付録基板A-10 SGのおすすめは港北ネットワークサービスのPS12-VRというリザーブ電源を2台使うシステムですが、1台43,200円もします。車載用のパワーICなのでいっそのことクルマのバッテリーを使うという方法もありますがメンテが大変だし危険なのでやめましょう。
digi-keyかRSで12Vのトロイダルトランスを購入して作るつもりです。12×1.4(整流)×0.87(115V用)で14.6Vくらいになるでしょうか。ダイオードの電圧降下でもう少し下がるかもしれませんが。
書いていて気づいたのですが、このアンプはリザーブ電源のPS12-VRを使うことを前提にした設計のようです。普通なら正負電源を使ったほうがいい音のアンプができそうなんだけど、12V単電源のPS12-VRために車載用のパワーICを使う羽目になったりオペアンプの変則的な使い方になったりしたようです(パワーICの作例がほとんどないということは人気がないチップなのかな?)。確かにA-10のDNAを受け継ぐという点では正しいアプローチなんだろうけど・・・う~む。

電源とヒートシンクを除いた部品代は約6,000円。
港北ネットワークサービスの部品パックは8,640円、共立電子のパーツセットが9,180円(抵抗にDALEのオーディオ用を使っている)
ケースや端子も必要だし金かかるな。

A-10 SGについてはステレオ時代 Vol.8かWebサイト(http://stereo-jidai.tumblr.com/)をご覧ください。

・・・

さて年末年始のドタバタも一段落したのでパーツでも注文しようかと思ったら、円安でDigi-keyが値上がりしている。
作るのどうしようかなと悩んでいたら、たかじんさんが「電流帰還アンプ基板 ALX-03 初回分を出荷しました。」だそうだ(http://nw-electric.way-nifty.com/blog/2017/01/alx-03-d128.html)。なんだかこっちのアンプのほうが面白そうだw

・・・

追記:パーツを集め始めました(2月4日)
秋月電子通商でA-10 SG用のパーツを買いました。
各パーツは上で書いたとおりですが、パワーICの入力部分のコンデンサ(C102、202、103、203)は部品箱にあったERO MKC1862 100V/0.22μFです。ポリカーボネートなので良い音しそうですw



追記(2月26日)
パワーICとヒートシンクが届いたので仮組みしてみました。



あとは抵抗があればハンダ付けをはじめられる。

追記
「ステレオ時代 Vol.8」の付録アンプ基板「A-10 SG」を作ってみた』へ続く